大会三日目にして気がついたのは、開場時間が日本に比べてやたらと遅い事です。
例えば、日本で200~300人の劇場なら30分前開場が一般的でしょう。でもこっちでは10分前。いや、5分前もざらです。ロビーに人が入りきっていなくても気にせず待たせます。※写真
同じ開場での数回目のパフォーマンスでもそうなので、「準備が出来ていない」わけではないはず。わざとなんですね。
ロビーに溢れた観客は、平気な顔して待っています。アフリカ人達は踊ってます。
そして開場すると慌てる事なく客席へ。
その客席が暗い。※写真
客席明かりを「暗く作る」ですね。段差が危険とか、そんなこと気にしません。それよりも雰囲気を大切にする。
6本観ましたが、会場係を見かけません。
演者が立っている芝居もありましたが、何もしません。演者は笑顔をくれるだけ。
「携帯電話・アラーム付きの時計など音の出る電子機器類の電源は・・・」なんて、アナウンスもありません。
「本公演の上演時間は、90分を予定しております。途中休憩は・・・」もない。
そして、押します。5分から10分。15分。20分押した芝居もありました。もちろん押してる事の説明も付きません。
日本なら、開演が10分遅れた場合「なぜ遅れているのか」観客に説明しなければ、舞台に影響が出ます。
そんなこと、こちらでは誰も気にしていません。
そしておもむろに始まります。客席はそれまで好き勝手に喋ってるのですが、「劇の始まり」を察知した瞬間、水を打ったように静かになります。わずか10秒。この10秒で一気に劇の世界に入ります。ぎりぎりの開場時間も「このためか!」と思いました。劇への導入が短距離走なんです。この10秒の静まりに参加する事は快感です。
文化だなあ。
初めて海外で演劇を観ると、こういうことにいちいち反応してしまうのでした。
あ、といっても始まってから慌てて電話のスイッチを切る人、本番中にアラームの鳴る人、いるんですけどね。
※この記事は、個人としての大人、子供、そして団体鑑賞としての「高校生」について書いたものです。それより小さな子供たちの団体鑑賞の様子はまだ見る事が出来ていません。
その機会に恵まれましたら、また別に報告します。
今日観た芝居
「It’s Dark Outside(オーストラリア)」50分。ノンバーバル。13歳以上。
「The Dancing Beasts (メキシコ)」90分。ノンバーバル。対象年齢なし。
「Objects with Objectives Open Session(南アフリカとオーストラリアとメキシコとイランのアーティストによる人形劇についての講演会)」
「AnimalFarm(南アフリカ)」※三回目の観劇